東京電力決算にみる原子力の果たしてきた役割

過去、2回、当面の節電対策として輪番休業を提案し、夏の電力不足対策として太陽光発電を加速すべく優遇処置をすべきと書きました。さて、今回は東京電力決算から、費用面から今までのエネルギー政策がどうであったか、そしてこれからどうあるべきかを考えたいと思います
ソースは平成21年度東京電力有価証券報告書です。各電源種別毎の発電費用は102,103ページ、発電実績は13ページになります

電源種別 費用(百万円) ウチ燃料(百万円) 発電量(百万KWh) 単価(円/KW) ウチ燃料(円/KW)
水力 86,556 (0) 11,015 7.85 (0)
火力 1,469,696 (1,155,444) 161,144 9.12 (7.17)
原子力 492,318 (37,172) 80,887 6.09 (0.46)
新エネ 396 (0) 13 30.46 (0)

※火力は汽力と内燃の足し算
償却が進んでる原発と償却が進んでいない新エネが同列で扱うのか?とか、火力は石油・天然ガス・石炭がごちゃ混ぜになっているとか、いろいろ自分でもツッコミたいところはあります
ここで言いたいのは、原子力は火力に比べ燃料費の影響を受けない、つまり価格安定化への貢献度が高いのです。もし火力に全面依存していたら、リーマンショック以前は電気代も暴騰していたでしょう(石油だけでなく天然ガス、石炭も価格暴騰してましたので)
では原子力が頓挫した今、燃料のいらない新エネに切り替えたらどうか?新エネは火力の燃料費が4倍になってようやく同等。原油を指標にするなら、21年度が約80$/バレルですので、320$/バレルってとこです。さすがにこれはないでしょう。経済性だけを言うならば、火力増設が現実的な選択肢なのかもしれません
だが、しかし。本当にそれでいいのでしょうか?この際、自然エネルギーの導入を大胆に図って環境ビジネスで稼ぐ国になるという選択肢もあります。インフラである電気代が上がることで既存産業が国際競争力を失い、日本の企業ですら国外に出て行くことがあったとしても

結論:正直僕にはよく分かりません。単純化できるほどこの問題は簡単ではない